生体情報(biometrics)というプライバシー

プライバシーを詐取しようとするのは犯罪者だけではない。安全なネットライフを。

生体情報(biometrics)というプライバシー

日本ではいまいち話題になっていないようなのだが、先日、韓国 Samsung 製テレビの音声コントローラが大きな批判にさらされたのを覚えているだろうか。

ここでの批判のポイントは2つ。ひとつは、テレビ自体には音声を解析・認識するロジックは組み込まれておらず、音声データが全てサーバに送られている点。もうひとつは、たとえ音声認識機能を無効にしても音声データの収集は行われてる点だ。

念のため言っておくと

しかし、こうした不信は大げさだと指摘する人もいます。デジタルトレンド社のCaleb Denison氏は、「サムスンのスマートテレビが『常に聴き耳を立てている』というのは誤った見方であり、うわさの域を出るものではない。サムスンがユーザに保証しているのは、ユーザの情報は送信時に暗号化され、保存されることはないということだ」と記しています。

ということらしい。

殆どの端末や IoT(Internet of Things)などともてはやされる組み込み機器は、(リソースの問題から)それ自体には生体情報(biometrics)を解析するロジックは組み込まれていない。したがって入力された生体情報を「認識」するためには、サービス・プロバイダのサーバ(大抵はクラウド)にいったん送られることになる。送られた生体情報がどのように扱われるかはサービス・プロバイダのさじ加減一つにかかっている。企業や政府の言う「私たちを信用しろ」というメッセージが全く信用できないのは「スノーデン以後」の私たちにとって自明のことである。

(ただし最近のパソコンや携帯端末のロック解除に使われる生体情報認証は別、だと思う。逆に言うと、ロック解除に使う生体情報認証は携帯端末に組み込める程度の能力しか持っていないということなのだが。ちなみに “Fingerprints are Usernames, not Passwords” であることをお忘れなく)

なんで今さらこんなことを言うかというと、「なりきろいど」なるアプリをメディアが嬉々として紹介したのを見かけたため。しかもこれを、最近 CCC の一味になった Yahoo! Japan が提供しているというのが何とも意味深である(笑)

プライバシーを詐取しようとするのは犯罪者だけではない。安全なネットライフを。