「原発事故が北関東のオオタカ繁殖に打撃」

この記事で重要な指摘がある。

「原発事故が北関東のオオタカ繁殖に打撃」

この記事で重要な指摘がある。

村瀬香准教授らは「事故前の19年間のオオタカの繁殖データがあったので、原発事故の影響を判定できた。オオタカは森林生態系の頂点捕食者で、影響が長引 いているのは、原発事故で放出された放射性物質が食物連鎖を経て到達するのに時間がかかったのではないか。また、野生動物の研究では、野外で生き残って淘 汰がかかった後の集団を対象にせざるを得ない場合が多く、原発事故の影響を過小推定する恐れがある」と指摘している。

これで思い出すのが昨年までに福島県が行った小児甲状腺がんに関するベースライン調査で,30万人の受信者の内,悪性ないし悪性の疑いがある者が109人,がんと判定された者が86人(10万人中約29人)という驚くべき結果が出ている。

ただし,これについては色々議論があって,「過剰診断」を疑う人もいるようだ。もともと甲状腺がんは成長が遅く,がんが大きくなる前に寿命を迎える人も多いと聞く。厳密な検査は必要ないし,早期発見で取り除くことが必ずしもメリットをもたらさないということである。

今回のような厳密で大規模な検査はおそらく国内初になるのではないかと思われる。故に比較対象がないのである。したがって,10万人中29人の発症率が原発事故による被曝の影響なのか,それとも他に要因があるのかよく分からないってのが正直なところらしい。(事故直後に検査を行った時のデータが紛失したとかきな臭い話もあるのだが,いまは置いておく)

今回のオオタカの例のように原発事故の前と後で比較可能なデータがあるってのは本当に幸運なことで,環境への影響を調査するのはかなり大変な作業になると思われるし,目の前のデータで安易に判断するのは拙速といえるかもしれない。